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超基本!電子署名とタイムスタンプの違いと特徴

目次
電子契約の普及が急速に進んでいる昨今。「電子署名って何?」「タイムスタンプとどう違うの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?混同されがちな電子署名とタイムスタンプについて、それぞれの役割に焦点を当て、違いを解説します。
電子署名とは
電子署名もタイムスタンプも、電子契約において書類の法的効力を担保するために用いられます。紙の契約であれば、署名捺印された原本を確認することで契約の法的効力は担保されますが、電子書類の場合は文書改ざんなどのリスクがあるため、文書の完全性(※)を証明する必要があります。
※電子文書における「完全性」とは、文書が作成・取得された時点以降において、記録媒体の経年劣化などによる文書の消失や変化を防止するだけでなく、文書の改ざんも未然に防ぎ、なおかつ改ざん等の事実の有無についても検証できるように保存・管理されることを指します。
完全性を証明するには「いつ」「誰が」「何を」といった要素が必要です。そこで、電子署名とタイムスタンプの2つを用います。これら2つが揃って初めて電子契約の完全性が証明されるというわけです。
電子署名はこの中で「誰が」「何を」の部分を証明する手段となり、次の2点が証明されます。
- 契約書を本人が作成したこと(本人証明)
- 契約書が改ざんされていないこと(非改ざん証明)
電子署名が具体的にビジネスにもたらすものについて、詳しくはこちらをご参考ください。
タイムスタンプとは
一方でタイムスタンプは、電子契約の完全性を構成する要素のうち「いつ」「何を」を証明する存在です。タイムスタンプを付与することで、電子契約が交わされた正確な日時を証明することが可能になります。
タイムスタンプは、総務省では以下のように定義されています。
ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術。タイムスタンプに記載されている情報とオリジナルの電子データから得られる情報を比較することで、タイムスタンプに付された時刻から改ざんされていないことを確実かつ簡単に確認することができます。 |
また、タイムスタンプが発行された時刻以降において、データが改ざんされていないということも同時に証明できるため、完全性の要素である「何を」も証明できます。
電子署名だけでも電子契約を交わすことはできますが、その際の有効期間は1〜3年です。そこにタイムスタンプを付与することで、有効期間が10年まで伸びるため、長期間の契約が可能になります。電子契約の契約締結には、10年以上の法的効力が求められることが多いため、タイムスタンプの付与は必須といえるでしょう。
タイムスタンプと電子署名との違い
タイムスタンプと電子署名は、どちらも電子契約において欠かせない要素です。
電子契約の完全性を証明するためには、「いつ」「誰が」「何を」を証明する必要がありますが、電子署名は「誰が」「何を」を証明するのに対し、タイムスタンプは「いつ」を証明するという点で役割が異なります。
タイムスタンプだけで、電子契約の完全性を証明することはできないので、注意が必要です。
タイムスタンプの流れ
タイムスタンプは、文書の送信者と受信者以外の第三者機関によって信頼性が保証されています。タイムスタンプは基本的に、時刻認証局(TSA)という第三者機関によって発行され、文書に付与されます。
タイムスタンプが付与され、非改ざん性を確認するまでの流れは次の通りです。
- 文書作成者が時刻認証局に電子文書のハッシュ値(※)を送信し、タイムタンプを要求をする
- 送られたハッシュ値に対して、時刻認証局が時刻情報を加えたタイムスタンプを発行する
- 文書作成者が、電子文書と一緒にタイムスタンプを保管する
- 電子文書のハッシュ値と、タイムスタンプに付与されたハッシュ値を比較する
- 両者のハッシュ値が一致することで、改ざんされていないことを確認する
※ハッシュ値とは、ハッシュ関数と言う計算方法によって算出された値のことです。データの改ざんがしにくい特長を持つハッシュ値は、パスワードの保管や、データの欠落がないかの確認などに利用されます。
タイムスタンプの役割
タイムスタンプの役割は以下の2つです。
- 電子文書の存在証明
- 文書の非改ざん証明
電子文書の存在証明
存在証明とは、タイムスタンプが付与された時刻に電子文書が存在していたことを証明するものです。電子契約の完全性のうち「いつ」に該当する部分になります。
文書の非改ざん証明
非改ざん証明とは、タイムスタンプが付与された時刻以降に、文書が改ざんされていないことを証明することでものです。こちらも、完全性の中で「いつ」を証明する部分に該当します。
「存在証明」と「非改ざん証明」の2点で、電子契約が交わされた時刻を証明しています。
電子帳簿保存法とタイムスタンプ
タイムスタンプは「電子帳簿保存法」でその扱いが定められていましたが、2022年1月に改正され、タイムスタンプの要件が以下のように緩和されました。
改正前 電子データの受領後3営業日以内にタイムスタンプが必要 |
改正後 ・タイムスタンプの付与期間が最長で2ヶ月と7営業日以内に ・書類の受領者がスキャナで読み取る際に、国税関係書類への自署が不要に ・電磁記録に対して訂正や削除をした場合、事実及び内容を確認できるクラウドにおいて、入力期間内に保存が行われたと確認できる際は、タイムスタンプが不要に |
サインタイムのタイムスタンプ
書面の電子化や電子契約では、長期間に渡る真正性を保証するために長期署名に対応した電子署名が必要になるケースがあります。サインタイムでは、長期署名規格に対応した電子署名タイムスタンプをご利用いただけます。
タイムスタンプはすべての書類に一律の付与ではなく、タイムスタンプが必要な書類や付与したい書類のみにタイムスタンプを付与することができ、必要なだけ課金されるのも特徴です。
まとめ
電子署名とタイムスタンプ、そのどちらも電子契約の法的効力を証明するために必要です。また、電子契約が成立するためにはその完全性が証明される必要があり、電子署名は「誰が」「何を」、タイムスタンプは「いつ」「何を」を証明する機能を持ちます。
電子契約を行う上で、電子署名とタイムスタンプは、どちらも欠かすことのできない要素です。両者の役割をしっかりと理解した上で電子契約の導入を進めていきましょう。
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