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印相体・篆書体などの印鑑の書体の種類と特徴・用途ごとの選び方を解説!
目次
「印鑑の書体はどれがいいの?」「印鑑の書体の種類は何がある?」「印鑑にも種類があるの?」という悩みをお持ちでしょうか?
本記事では、印相体・篆書体などの印鑑の書体の種類と特徴・用途ごとの選び方を解説していきます。
印鑑の種類についても紹介しているのでぜひご参考ください。
印鑑の書体の種類一覧
印鑑の書体には以下のようにいくつもの種類があります。
- 印相体
- 篆書体
- 太枠篆書体
- 古印体
- 隷書体
- 行書体
書体によってそれぞれ特徴があるので1つずつ紹介していきます。
印相体
印相体(いんしょうたい)は文字と枠が接する部分が多いので印鑑の枠が欠けにくいというメリットのある書体です。印相体は別名で「吉相体(きっそうたい)」とも呼びます。篆書体をベースにして、中心から外に向かうようにデザイン化されています。縁起が良いとされており、柔らかでありながらも力強い印影が特徴です。上下左右斜めと八方に広がることから「八方篆書」とも呼ばれます。篆書体をベースにしているため可読性がより低くなっているため、本人確認などの証明にお持ちいる「実印」や「銀行印」にピッタリの書体です。
篆書体
篆書体(てんしょたい)は、象形文字から誕生したといわれる一番歴史の古い書体です。印鑑以外にも馴染みのある日本のお札にも用いられています。現在利用している漢字と違う文字もあるため、可読性が低く偽造しにくい書体になっています。その可読性の低さから実印などの個人印鑑や、法人印鑑におすすめの書体です。
太枠篆書体
太枠篆書体(ふとわくてんしょたい)は、篆書体をベースに細かく仕上げ、印鑑の枠を太くして枠の耐久性が高い書体です。印鑑の枠を太くしたことにより、篆書体に比べて太枠と細文字のバランスの取れた美しい仕上がりになっています。篆書体と比べると少し軽やかなイメージになります。個人用として女性の「実印」や「銀行印」として人気のある書体です。印鑑の中で女性らしさを表現できる書体はほとんどないため、ハンコに柔らかい印象を持たせることのできる書体になります。
古印体
古印体(こいんたい)は雅な味わいの墨溜りやかけ途切れが美しい書体です。日本漢字を基に進化した書体となっており、可読性が非常に高く馴染みのある書体になります。可読性の高さから印鑑の「認印」におすすめです。
隷書体
隷書体(れいしょたい)は、波打つ筆跡で横長の端正なバランスが特徴の書体です。篆書体と同様に印鑑だけでなく日本のお札にも利用されています。現在利用している漢字に似ていますが、実際は紀元前から続く歴史の古い書体で、文字によっては形状が異なる文字もあります。こちらも可読性の高さから印鑑の「認印」におすすめです。
行書体・草書体・楷書体
行書体(ぎょうしょたい)は、細い筆記書体で印刷書体としても馴染みある可読性の高い書体です。草書体(そうしょたい)は行書体をさらにシンプルに表記した書体です。楷書体(かいしょたい)も印刷書体やパソコンのフォントとして馴染めある可読性の硬い書体です。
印鑑の種類
書体の種類を紹介しましたが、印鑑にも様々な種類があります。
- 実印
- 銀行印
- 認印
- 社印(角印)
- ゴム印
それぞれ特徴があるので紹介していきます。
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実印
実印とは、住民登録のある市町村役場に登録したハンコのことです。契約時に使用者の意思を証明することができます。印鑑登録は原則15歳以上で、作成時にはハンコの所有者本人の申請が必要です。印鑑登録を行なった実印は原則一人一本のみの所有になります。よって同じ印鑑を二人で別々で印鑑登録することはできません。
夫婦の場合でも、各々の実印を登録することになります。
市区町村によって異なりますが、大きさが「8㎜の正方形に収まらず、25㎜の正方形からはみ出さないもの」であることが一般的です。
また登録印は戸籍上の氏名・苗字・名前のいずれかが完全に表示されたものに限られます。よって苗字に名前の一部をつけたものや、苗字と名前の頭文字同士を組み合わせたもの、氏名をひらがなやカタカナに変えたものは登録できません。
実印は、金融機関のローンや借り入れの契約、土地や建物の売買契約・会社設立・公文書作成などの重要な書類で利用される印鑑です。
銀行印
銀行印は、銀行などの金融機関で登録した印鑑のことです。ゆうちょ銀行やJAなどの通帳開設の際や、保険や証券の契約時に金融機関に出納する際に利用される印鑑です。一本のハンコで複数の口座を開設している人が多いですが、盗難や紛失時のリスクを考慮して金融機関・口座ごとに違うハンコを登録するのがおすすめになります。
苗字もしくは名前で作りますが、金融機関の印鑑として使用する銀行印は「お金が縦に流れないように」という理由から、苗字と名前ともに横書きで彫るのが一般的です。
横書き印鑑の文字は右から左に読むように彫ります。
認印
認印とは、仕事での一般事務全般や、家庭での簡単な契約書、受験票、届出書などで利用される印鑑です。実印や銀行印とは違って公的な証明のない印鑑ですが、書類や契約の内容を理解し承認した上で押印したという証明となります。認印でも重要書類に押印すると実印の効力と同じです。
よって認印での押印の際は、書類や契約内容をしっかり把握した上で行いましょう。
社印(角印)
社印とは、会社名が彫られた四角い印鑑のことです。主に請求書や見積書、領収書などの日常的な会社業務で利用されます。他の印鑑と比べて特徴的な見た目をしており、大きいことから実印のように見えますが会社の認印の扱いです。
ゴム印
ゴム印とは、会社名が入った正方形の印鑑のことです。印面がゴム製になっています。社印として使われる会社の認印のようなもので、請求書や領収書など組織名や住所、電話番号の記入が必要な時に、会社として発行する書類に押す際に使うはんこです。日常業務の中で書類に手書きしているものをゴムインに置き換えれば業務効率化が可能です。
印鑑の書体の選び方
印鑑ごとのおすすめの書体は以下の通りです。
個人印鑑
実印・・・篆書体
銀行印・・・吉相体
認印・・・隷書体もしくは古印体
法人印鑑
社印(角印)・・・篆書体
ゴム印・・・楷書体
一般的に、個人の実印・銀行印や法人の社印(角印)は可読性の低い書体がおすすめです。逆に認印やゴム印は可読性の高い書体を選ぶのがおすすめになります。それぞれの印鑑における、おすすめの書体を詳しく解説していきます。
個人の実印・法人の社印は篆書体がおすすめ
個人の実印や法人の社印は、篆書体がおすすめです。実印や社印は契約時などに使われる重要な印鑑であるため、紛失時などに不正利用されたら大変です。よって簡単に偽造や複製をされないためにも、可読性の低い書体を選ぶのがポイントになります。
上記を考慮した上で、複雑で可読性の低い篆書体が安全性も高くおすすめです。篆書体と同様に可読性が低い印相体もおすすめです。
銀行印は印相体がおすすめ
銀行印は、印相体がおすすめです。昔は吉相体などの読みやすい書体が使われていました。
しかし現在は複製防止の観点から、実印と同じく篆書体や印相体などの書体で作成されます。特に印相体は、開運書体とも呼ばれ風水の点からも、お金に関する銀行員の縁起担ぎとして利用する人が多いです。銀行印は実印との差別化、お金を垂れ流さないという理由から横書きで彫るのが一般的です。
認印・ゴム印は読みやすい書体がおすすめ
認印は、個人の実印や銀行印・法人の印鑑とは違い、隷書体や吉相体のような可読性の高い書体がおすすめです。認印は会社の通常業務で日常的に利用されるため、可読性が高い方がわかりやすいです。よって誰が押印した印鑑かすぐにわかるように名前が読みやすい書体を選びましょう。
またゴム印は用途がたくさんあるため、利用する内容によって選ぶ書体は変わりますが、一般的な住所などのいれるゴム印は読みやすい楷書体がおすすめです。
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男性・女性におすすめの書体は?
男性・女性におすすめの書体はあるのでしょうか?
それぞれのおすすめを解説していきます。
男性におすすめの書体(印相体)
男性におすすめの書体は印相体です。印相体は実印のサイズも大きく、書体もどっしりしており風格があります。加えて複雑で可読性が低いため複製されにくいのもおすすめポイントです。
女性におすすめの書体(細篆書体)
女性におすすめの書体は細篆書体です。細篆書体は、篆書体をさらに細くしており、繊細さと柔らかさを兼ね備えた上品な書体となってます。文字の部分とは対照的に印鑑の枠は太く強度があるため、女性用の実印や銀行印に特におすすめです。
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まとめ
印鑑の書体にはたくさんの種類があり、それぞれ特徴があります。可読性の高さや、耐久性、デザインなど考慮する点はさまざまです。今回紹介した書体の種類と印鑑の種類を参考に、用途に合わせて適切な書体を選びましょう。
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