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契印と割印とは?契約書への正しい押し方・注意点を徹底解説!
目次
契印・割印とは、契約書に記載された内容を確認し、正式に認識したことを示すものです。
本記事では契約書への正しい押し方や注意点について紹介していきます。
契約書に記載された内容を正確に理解し確実な契約を結ぶために、是非ご参考ください。
契印・割印とは何か?
契印と割印は、契約書などの法律文書に対して署名をすることを表す用語です。
どちらも違う意味と役割があるため、両方確認していきましょう。
契印とは?
契印(けいいん、ちぎりいん)とは、契約書が複数枚である場合に、これらが同一の契約書であり、かつ追加や変更がないことを証明する行為です。
契印には、後から文書の追加や差し替えなどの不正トラブルを防止する役割を持ちます。
使用する印鑑は署名または記名に使用した印鑑と同じで、契約当事者全員が押印します。
割印とは
割印(わりいん)とは、正本と副本、原本と写しなどの内容の同じ契約書が複数枚である場合に、これらの契約書内容が同一であることを証明する行為です。
割印は、複数の当事者が契約をした際に一方が書き換えてしまうことを防止する役割を持ちます。
例えば、二者間契約の場合には契約書を少し縦に重ねて押印します。
また領収書発行の際に、発行者が領収書と控えに覆い被さるように割印をすることもあります。
契印と割印の印鑑は?
契印と割印の印鑑は何を使えば良いのでしょうか?
それぞれ使用する印鑑が違うので紹介していきます。
契印の印鑑
こちらは指定された規定はありません。
一般的には、認印などの実印以外の印鑑を使用しましょう。
契印は契約書の長さによって、何度も押印する可能性があります。
よって偽造防止のためにも契印の際は、実印以外の認印で押印することがおすすめです。
割印の印鑑
こちらにも指定された規定はありません。
一般的には、書類に捺印した印鑑を使用しましょう。
契約書に実印が指定されている場合は実印での割印、特に指定がないなら認印で大丈夫です。
3通以上の契約書への割印は、縦長の専用の割印が便利です。
契約書への押し方
契印と割印には契約書への正しい押印方法が存在します。
契約時に間違って取引先からの信用を落とさないためにも一緒に確認していきましょう。
契印の押し方
契印の押し方には契約書によって3パターンあります。
- ホッチキスで綴じている契約書
- 製本された契約書
- ページ数の多い分厚い契約書
3つとも確認してきましょう。
ホッチキスで綴じている契約書
ホッチキスで綴じている契約書の場合は、全てのページの見開き部分に、両ページに覆い被さるように押印します。
この場合には、すべてのページに契印が必要になります。
ページ数が膨大な場合は手間になりますので、できるだけ製本された契約書を作るようにしましょう。
ホッチキスで綴じている契約書は、ホッチキスを外すことで容易に文書の抜き取りや差し替えなどの不正ができてしまいます。
そのためにも契印をすることで、万が一ページの抜き取りや差し替えがあっても、契印の位置のズレや乱調によってそれが判別可能です。
製本された契約書
この場合は、全てのページへの押印は必要はありません。
表裏どちらかの1ページのみに押印するだけで大丈夫です。
製本テープと文書の紙が重なるところに契印をすることが正しい押し方です。
テープがない場合には紙でも代用可能ですが、専用の製本テープを用いると簡単で便利です。
注意点として黒のテープは印影が見えなくなるので契約書には利用しないようにしましょう。
ページ数の多い分厚い契約書
ページ数の多い分厚い契約書があります。
ページが分厚いとその分印鑑も押しにくいです。
見開きにした時に、押印部分が段差になっていることが大きな原因になります。
この場合は、段差をなくすために低い方のページに紙を足して高さを調整したり、下に印鑑マットを敷くなどの方法があります。
契約書の状況に応じて押印しやすい方法を判断しましょう。
割印の押し方
割印の押し方には契約書によって3パターンあります。
- 契約書と写しに押印
- 3通以上の契約書に押印
- 領収書と写しに押印
3つとも確認していきましょう。
契約書と写しに押印
この場合は、文書が覆い被さるように割印を押します。
文書を重ね、少し上下にずらした上で押印しましょう。
3通以上の契約書に押印
この場合は、全てに印影を残さなければいけません。
印象の長さが足りない場合は、2箇所に覆い被さるように割印を押すこともできます。
印鑑の専門店では、縦長の割印専用の印象を作成可能です。
割印専用の印鑑は原則必要ありませんが、3通以上の契約書に押印する場合は便利なのでよく利用する方は作成してはいかがでしょう。
領収書と控えに押印
契約書ではありませんが、領収書と控えに押印する場合もあります。
この場合は、領収書と控えの切り取り線にまたがるように押印します。
領収書はお金を支払った側が受け取る文書ですが、発行した側も控えを持っておくことで双方取引の記録を残すことが可能です。
領収書に割印を押すことで、領収書の金額が間違っていた場合などのトラブルの際に取引の証拠として利用できます。
契約書への押印に関する注意点
契約書への契印・割印の押印にはいくつか注意点があります。
- 契印割印を上手に押印するには
- 契印割印に失敗した時の訂正方法
両方確認していきましょう。
契印割印を上手に押印するには
契印・割印は契約書が複数枚である場合に、上手に押印できない場合もあります。
この時に注意するポイントとして以下の二つが挙げられます。
- 押印する文書の高さを別の紙を利用して高さを合わせる
- 印鑑マットを利用する
複数の文書を重ねて契印・割印する場合に、押印する場所に高さの違いによって段ができてしまいます。
この場合に、少ない方に紙を差し込むことで押印位置の高さを調整して揃えることで上手に押印することが可能です。
印鑑マットを利用することも上手に押印するには大切になります。
これによって紙の厚みの違いをクッション性でカバーすることができ、上手に押印することができます。
また押印の際は、朱肉に印鑑をまんべんなくつけてから押印すると綺麗です。
上記の2点にしっかり注意して押印するようにしましょう。
契印割印に失敗した時の訂正方法
契印・割印に失敗してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。
もし失敗してしまっても二重線を引いて訂正印を押す必要はありません。
別の場所に再度押印し直すだけで大丈夫です。
また文書をまたげなかった場合は再度押印の必要がありますが、多少のかすれが出た場合はきちんとまたがってさえいれば契印・割印の法的効力に問題ないです。
よってこの場合は無理に訂正する必要はありません。
訂正方法ですが、修正液や修正テープで訂正してはいけません。
この方法だと書類自体の法的効力が失効してしまうので注意しましょう。
契印・割印を代替する電子契約
2000年に公布された電子署名法により、電子契約が注目されています。
電子契約では、紙の契約書のように契印・割印などの押印の必要がなく、代わりに電子サインで代替します。
電子サインとは、これまでの署名捺印の代わりに本人性を担保して内容に改ざんがないことを保証する仕組みです。
電子署名は、「公開鍵暗号」「公開鍵基盤(PKI)」「ハッシュ関数」の3つの技術を活用することで、厳格に本人性・非改ざん性を担保することが可能です。
電子署名法とは
電子署名法は、電子的に作成された文書の正当性を確認するための法律のことを指します。
この法律は、電子文書に対して有効な署名を行うことができることを認証し、これらの電子文書が他の文書と同じように法的効力を有することを規定しています。
電子署名法は、ビジネスや個人間の取引などでの文書の作成・交換・保存において、紙ベースの文書と同等の正当性を持たせることを目的としています。
電子署名によって具体的に何が変わるのか気になる方は、電子署名はあなたのビジネスに何をもたらすのか?も併せてチェックしてみてください。
まとめ
本記事では契印・割印の違いや押し方・注意点をまとめました。
全体の内容を簡単に表にまとめると以下の通りです。
契印 | 割印 | |
証明できること | 契約書が同一の内容であること | 契約書に相違がないこと |
役割 | 文書の追加や抜き差しを防ぐ | 契約書の改ざんを防ぐ |
使用する印鑑 | 署名・記名と同様の印鑑(実印以外) | 指定なし割印専用の縦長の印鑑がおすすめ |
押印方法 | ページに覆い被せるように押印製本テープに押印 | 文書を縦に覆い被せるに押印 |
電子契約 | 代替可能 | 代替可能 |
契印・割印は契約において契約書作成で重要な役割を持っています。一方で、紙の契約書は文書作成に手間がかかることも事実です。電子契約を利用すれば本記事で解説した契印・割印も不要です。
改ざんや書き換えなどの不正も減らせるため、紙での契約書にうんざりしている契約担当者はぜひ検討してみてください。
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