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署名と記名は何が違うの?法的効力の違いや電子署名についても解説!

署名と記名は何が違うの?法的効力の違いや電子署名についても解説!

「署名と記名は何が違うの?」「法的効力にも違いはあるの?」「署名のルールやマナーは?」

という悩みをお持ちでしょうか?

今回の記事では、署名と記名の違いについてわかりやすく解説していきます。バックオフィスで働く契約担当者の方はぜひご参考ください。

署名・記名とは

署名と記名は同じような使われ方をするケースがありますが、実際には意味が異なります。ビジネスシーンでよく使われるので、一般教養として違いをしっかり把握しましょう。

署名とは?

署名とは、本人が自筆で氏名を手書きすることです。自署やサインと同じ意味になります。また、署名は手書きによる行為なので筆跡鑑定による判断が可能です。筆跡鑑定の実施によって本人の意思表示を証明できます。自筆で氏名を書くことに加え、印鑑を押す行為を「署名捺印」と言います。署名が利用されるケースとしては、売買契約や請負契約などの契約締結の場面です。

契約行為自体は当事者間の合意によって成立するため、口頭だけでも契約を締結できます。
しかし口頭による契約時には、契約内容や条件に関する第三者の証拠が残らないため、トラブルが発生したときに責任の所在が曖昧になる可能性があります。

こうしたリスクを減らし安心して取引を進めるために、契約締結には署名が必須です。

記名とは?

記名とは、署名以外の方法(ゴム印・印刷・他人による代筆など)で記載する行為です。第三者でも代筆できるため、無断で記名されてしまう危険性があります。自筆以外の方法で書かれた氏名に加え、印鑑を押す行為を「記名押印」と言います。記名が利用されるケースとしては、社内などでの情報共有などの確認の際に利用されます。逆に、契約書の締結などの重要な要件には利用されることは少ないです。

法的効力の違い

署名と記名は法的効力に明確な違いがあるため、しっかり把握することが必要です。違いを知らないと契約の際にトラブルになってしまう場合があるため、一緒に確認しましょう。

署名の法的効力

署名は自筆で氏名を書くので、筆跡鑑定の実施により本人証明が可能です。

民法に下記の記載があります。

「文書はその成立が真正であることを証明しなければいけない。
私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」

参考:(補足説明)民事訴訟法第228条第4項とは

この民法によると、署名のみで法的な証拠能力の証明が可能ということになります。

記名の法的効力

記名のみでは法的効力はないに等しいです。記名は自筆以外でも名前を記入することから、第三者によるなりすましの可能性があるため証明能力としては弱いです。

記名に法的効力を持たせるには、記名押印を行う必要があります。
先に述べた民法によれば、「本人またはその代理人の署名又は押印があるとき」に法的効力を持つとされています。
このことから、本人の自筆でない記名であっても押印とセットであれば、法的効力を持たせることができるということです。

署名に捺印は必要なのか

署名だけでも証明能力があるので、捺印はなくても問題ないのでしょうか?
法律上署名がある場合、捺印は不要です。署名は本人が書いたかどうかを筆跡鑑定によって判断できるからです。もし第三者が書いた場合でも自署でないことを証明できます。しかし信用度の問題から、契約書では署名捺印を行う場合が多いです。

署名、署名捺印、記名、記名押印には信用度に優劣があり、高い方から並べると以下の通りになります。

  • 署名捺印
  • 署名
  • 記名押印
  • 記名

記名に関しては第三者が簡単に記名できてしまうため、記名だけでは法的効力を持ちません。法的効力を持つには、記名押印を行う必要があります。

よって署名に関しては捺印は法律上必要ありませんが、記名に関しては押印がなければ法的効力を持たないのです。現実に海外では契約書はサイン(署名)だけの場合がほとんどです。しかし、日本では署名の場合でも印鑑を求められる場合が通例で、署名+捺印という組み合わせが最も効力を発揮します。

署名におけるルール・マナー

署名は契約書などの文書での証明のために必要です。ビジネス上契約書を用いて取引を行うシーンは数多くあるので、署名のルール・マナーを把握しましょう。

代表取締役による署名が必要

契約の際には、会社の代表取締役による署名が必要です。

会社法第349条に以下の記載があります。

「代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する」

会社法によると、業務に関するあらゆる行為は代表取締役に権限があるため、契約の際の署名も当てはまります。
よって契約時に実務を行った担当者の署名ではなく、代表取締役による署名が必要です。

社員による契約には役職の記載が必須

契約では代表取締役の署名が必要ですが、状況によっては現実的に厳しい場合もあると思います。その場合は代表取締役から権限を委譲された社員が、代わりに署名を行うことができます。権限を委譲された社員の署名の際は、役職を記載することが必須です。代表取締役以外であっても契約書への署名はできますが、誰でも契約書に署名できる状態では会社の責任問題が問われます。そのためにも職務権限規定を策定して決裁や署名に携わる人数を最小限にして、明確なルールを決めておくことが必要です。

押印が必要か否か

先ほども触れましたが、契約書に署名があれば原則押印は必要ありません。
ただし署名捺印の方が信用度が高いため、契約書では信用性担保のために捺印も押すことが一般的です。
なお今後は脱ハンコの時代の流れにより、署名のみになる可能性もあるでしょう。

署名の位置

契約書における署名の位置は、法律上決まったルールはありません。よって記載しやすい位置に署名することに問題ありませんが、一般的には契約書の終わりの方に署名欄があることが多いです。

また会社名や住所の記入欄も、署名欄と同じ場所に設けられていることがあります。

署名・記名に代わる電子署名とは

電子署名法によって、電子署名が手書きでの署名と同様の法的効力を持つことになりました。電子署名の特徴や、電子印鑑・電子サインとの違いを解説していきます。

オンライン完結で締結が早い

電子署名は契約時に取引先に出向いたり郵送する必要がありません。これにより印刷代や郵送代のコスト削減や、契約手続き業務の削減、紙による書類の保存スペース削減が期待できます。

加えて、修正点があった場合でもオンライン上ですぐに確認して修正できるため、従来よりもスマートな対応が可能です。オンライン完結で締結できることはリモートワークや働き方改革が推進されている今、大きなメリットになります。

参考:電子署名はあなたのビジネスに何をもたらすのか?

書面契約と同等以上の安全性

電子署名はセキュリティ面の安全性が高いです。書面での契約では、紛失・改ざんなどのリスクがあります。それに比べて電子署名では、公開暗号方式が採用されていて、改ざんされると契約書を見ることができなくなるため契約の締結が行えない仕組みになっています。契約書の内容もクラウド上で管理されているため、紙でありがちな持ち出し時の紛失のリスクもなく安全性が高いです。

参考:【現役エンジニアが解説】電子署名でブロックチェーンを使うメリットは?

電子証明書が必要

電子署名には電子証明書が必要になります。電子証明書とは、印鑑証明書と同じ役割を持つ証明書でネット上の身分証明書です。認証局が発行しており、公開鍵暗号基盤によって本人確認が可能になります。電子証明書の有効期限は最長で5年となっているため注意が必要です。

参考:電子署名サービスを選ぶ際に考えるべき7つのメリットとポイント

電子印鑑・電子サインとの違い

電子印鑑は印鑑を電子化したものです。実印や認印と同等の役割を持ちます。しかし、無料の電子印鑑に関しては認印と同じように法的効力を持ちません。有料の電子印鑑に関しても、署名捺印を行うことで初めて法的効力を持ちます。

電子サインは、スクールなどに入会するときに契約書を読んだ後タブレットで申込書に記名をする行為のことです。電子署名とは違い、第三者機関を通さないので確実な本人証明とはなりません。

電子署名と同じものであると勘違いされることが多いので注意しましょう。

参考:電子サインとは?電子署名や書面との違いやメリット

まとめ

署名と記名には明確な違いがあります。法的効力の違いや、署名のルール、代替される電子署名について把握できたでしょうか?ビジネスマンの基礎知識として最低限理解しておきましょう。

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